半年のモルヒネ


今年の3月、それまで日経平均で10000円近辺をさまよっていた株価が、いきなり暴騰した。
政府が、デフレ対策として空売り(もっていない株式を売る行為)の規制をしたためだった。
日経平均は12000円を一時は回復した。
そんなとき、銀行各行は保有株式評価法を“月中平均方式”に切り換えた。
それまでの決算方法だと、3月31日の株価がすべてになってしまう。この日まで株価がもってくれればいいが、もたばければ決算が組めない――――大手銀行はそういう問題にさいなまれたようだ。
切り替えたことによって、3月31日の株価が下がろうが、月央は高いので、そこまで気にしなくても良い。

三井住友銀と、あさひ銀(当時)だけだった。大手銀行の中で月中平均方式だったのは。
それで、最後まで月末方式を貫いたのは、大和銀、東京三菱銀、三菱信託銀だけ。
残り、第一勧業銀、富士銀、日本興業銀、UFJ銀、UFJ信託銀、住友信託銀、中央三井信託銀の七行は、3月になって突然評価基準を変更したのであった。

国は、会計上許されている、として黙認したようだが、詐欺ではないのだろうか。
評価方法の改良はそれなりに評価するが、率直に言って、あまり気持ちの良い処理ではない。


しかし、そんな制度改変でやっと乗り越えた決算も、今度は逆に重荷になりそうである。
8月末の日経平均は、9619.30円。
これが仮に9月末に12000円になろうとも、月中平均であれば、その恩恵は被れない。

大手銀は、日経平均株価が11000円はないと、決算が組めないといわれている。
資本が毀損し、自己資本比率8%を確保できないためである。
上旬のうちに12000円に乗せて、維持し続けない限り、銀行は決算が組めないだろう―――
決算が組めないとどうなるか、単純に、金融システム不安が煽られ、株価は暴落し、特に銀行株はヘッジファンドの格好の標的となる。
潰れるところも出てくるだろう。
とは言え、また3月のときみたいに会計基準を突然変更するわけにもいかないだろうし(元に戻してどうするんだってことになるのは必至)


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