銀行に国債を買わせるな


金融庁などのシナリオを見ていると、どうも金融業務はすべて銀行に集結させてしまって、証券会社・信託銀行・投資信託委託会社・生損保なんかはみんな本店だけあればよい、みたいに感じます。
本来、銀行は間接金融を取り仕切るものですから、預金者から集めたお金を企業に貸し出して、元本と利息を返してもらって利益を上げることを存在意義としているはずです。
最近、中小向け融資の貸しはがしが問題となっていて、銀行側は口を揃えて「資金需要が減退している」などと言っていますが、これは絶対にウソ。
銀行にとって、お金を安心して貸し出せるような企業の借り意欲が低いだけで、お金があれば事業を起こすけどとか、拡大路線を進みたい、と思っているようなところは多くあるのに、貸し出したくないだけです。
なんで貸したくないかっていうと、自己資本比率がネックになっているからでしょう。
変なとこに貸し出したら自己資本が減ってしまう。

かといって、この低金利時代だから、無担保コール市場なんかで運用したところで、普通預金の金利分も稼げない。
このままでは、預金が増えれば増えるほど赤字になる――――ってことで、資金が国債に大量に向かっているようです。
国債の発行は増え続けていますから、国にとっても安定供給先が増えるから良い、みたいに思っているんだろうか。

でも、日本の国債残高は増えすぎよ。
50兆円の税収に対して、80兆円ぐらいの支出でしょ。
しかもそのうち25兆円が国債償還に当てられている。
っつーことは、80−25=55だから、5兆円は国債で賄わざるを得ない。
こんなことが続いていると、国債の償還だけで年間税収を越えてしまう時が来てしまう。
そうなったら、予算もクソもないよ。
まず、これは一つの大きなターニングポイントになるでしょうね。

国債が仮に暴落して、表面利率が0.5%上昇したとすると、既発国債は10兆円分目減りします。
景気対策の1回分以上の費用がこれだけで飛んでいってしまう。
しかも、国債は1%程度が個人でもたれているだけなので、99%は事業会社が持っている。
っつーことは、事業会社の資産から9兆9千億円が飛んでいってしまう、ってことです。
これは、恐ろしいよ。
0.5%でこれなんだから、国債暴落と資産暴落がスパイラルになっていったら、どうしようもない大恐慌になるね。

それを防ぐためにどうするか、っていうと、日銀に国債を買わせる、ってこと。
でも、この政策って本当にいいのかねぇ。
結局、日銀券すなわち円が暴落するっていうのは避けられない気がします。
弥縫策で取り繕おうとする政治家が多くて、やってられません。

政治家はすぐに、3ヵ月後のGNP、GDPがどうだとか、1年後の経済成長はいくらだとか、そんな低次元な話ばかりします。
目先の数字にとらわれすぎですよ。
短期の繁栄のために、長期の凋落を迎えてもいいのか。
っていうか、今がまさにそうなのに。何度同じ事をしているんだろう。
長期的な視野に立って、構造改革を進めることで構造好景気を迎えるっていうのが小泉政権の目指していた姿なのに、名ばかりですね。
痛みを伴う改革って、なんだったんだろう・・・・

短期的にはいいかもしれないけど、長期的に見るとこの「銀行の国債購入急増」がもたらすものは、最悪のシナリオでしかありえません。
こんな行為は、法で禁ずべきです。
少なくとも金融庁は、こういう自己資本を毀損するおそれがある行為を禁ずべきです。
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