オゾン層問題

ちょっと前まで大騒ぎだったのに、いまや過去の話にされてるよね。


地球温暖化ばかり叫ばれて、ほんの数年前まで大騒ぎだったこの問題もどこかにすっとんでいってしまったようです。
しかし抜本的な解決策がなされたというのは程遠く、現在でも未解決のまま放置されています。

フロンガスは炭素とハロゲンというもので出来ています。
ハロゲンというのは「ふっくらぶらじゃー」と以前書いたやつです。F,Cl,Br,I,At。
この中でも主にオゾン層破壊の問題となっているのはF(フッ素)とCl(塩素)です。
これが本当に実用的に優れた物質なのです。以下の4つの用途がほとんどです。
  1. 冷凍機用溶媒
  2. 発泡剤
  3. 洗浄剤
  4. 噴霧剤
(1)について、フロンは低沸点(低い温度で気体になる)なのでそれまで使われていたアンモニアや二酸化硫黄にとってかわりました。
アンモニアも二酸化硫黄も人体にとって有害ですが、フロンは無害です。
(2)発泡スチロールという物質がありますが、あんなものとは比較になりません。
加工が容易で安定なため、氷箱や枕やクッションなどに使われていました(今はたぶん使われていない)
(3)安定なので、ゴミを除くための洗浄剤として使われることが多いです。
中でも液体を流してしまうとショートしてしまうリスクを伴うプリント基板の洗浄用途が最右翼。
義足義手の製造工程でも使われています。

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安定で人体に無害あれば、別に大気中に出ようが問題ないはずなのですが、そうはいかんざき。というのが世の中なのです。
フロンは上空に上り、オゾン層の付近に達します。
そうすると、それまでオゾンが遮断していた紫外線をフロンが受けることになります。
そうなのです。フロンは極めて紫外線に弱いのです。
化学的にラジカル開裂反応と言いますが、フロンが紫外線を受けることによりその中に含まれているフッ素や塩素と言ったハロゲンが気体となって放出されます。
これらのフッ素、塩素、あるいはこれらが結びついたもの(FCl)がオゾンと反応してしまいます。
そうして、フロンはオゾン層に上り詰めてはじめてその有害性に気づかれたのです。
しかし時既に遅し。それまであふれんばかりのフロンが噴射剤として、洗浄剤として用いられてきました。
これらがすべてオゾン層にまで上り詰めたらどうなるか、誰にも分かりません。


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代替フロンという言葉が使われて10年ぐらいになりますかね。
相変わらず冷凍用途ではフロンのシェアが高いです。
アメリカでは真っ先にフロンの規制に乗りだし、上にあげた(4)の噴霧剤としての利用を禁止しました。
代替フロンとして現在使われているのは一部を水素に置き換えた物質です。
C2Cl6→C2HCl5、などといったような具合ですね。
6つある塩素のうち一つだけを水素に変えても地上での性質にはほとんど影響はありません。
しかし、ひとつでも水素が入ると弱い紫外線でも分解反応が起こるようになります。
そうすると、代替フロンはオゾン層に達する前に分解されてしまいます。

こうした手段でとりあえずオゾン層の破壊は抑えられますが、ハロゲンの一つを水素に置き換えるだけでも製造コストは100倍以上になります。
また、地表に有害物質が降ってくるあるいは溜まるという問題もある。
こうした問題にどう対処していくのか。

オゾン層問題は解決済みではありません。まさに今、取り組みがはじまったばかりです。
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