アスベスト被害

現れたケースは、氷山の一角に過ぎないのだろうか?


クボタ神崎工場の件を皮切りに、そこらじゅうで被害が相次いでいます。
ニチアス王寺工場でも出ているとか。
クボタの発表は自発的に見えましたが、毎日新聞が熱心に追っていて夕刊で報道したのが原因のようですね。
今年は毎日が新聞協会賞を受賞するのかな。旧石器捏造事件以来ですかね。

なにしろ中皮種の潜伏期間が30〜50年と長いため、さまざまな問題があります。
まずは直接の因果関係を示すことが難しいこと。
クボタの件にしても、30年以上ずっとその周辺に住んでいる人たちが対象になっているわけです。
当然、途中で転居してその先で発症するようなケースもあるでしょう。
あるいは、出張などで訪れた際に吸引するなどのケースもありえる。
しかしこうした人たちがどれぐらい見舞金や労災の保護対象になるのかなど、はっきりとしていません。

第二に、臨床研究が難しいこと。
例えば製薬ではマウスなどで臨床実験を3段階積み重ね、その次に人間で実験を行い、そうして副作用が出なくてはじめて医薬品として認定されるという決まりになっています。
エイズのように潜伏期間が10年程度と長い病気の場合、マウスの自然寿命のほうが先に来てしまうため、臨床実験では有効なデータを得ることができません。
アスベストはその3〜5倍にもなるのですから、ほぼマウスによる実験は不可能と言っていいでしょう。
その結果、従業員や付近の住民に被害が出てはじめてわかる、ということになる。
人間モルモットと言ってよいかもしれない。本当にとんでもない許せない話です。

最後に、診断する医師の多くが中皮種に関する知見を持ち合わせていないこと。
かりにアスベストの被害に遭い中皮種であったとしても、なにしろ中皮種というのはアスベストを吸わなければまず発症しない病気です。
今までにそんなケースはほとんどなかったと言っていいので、実際に被害者を診療しても別の病気であると誤認する確率が高い。
そうすると健康被害を受けていても、労災などの対象にならないわけです。


青石綿>茶石綿>白石綿の順に毒性が高いと言われます。
我々が小学生のころは(白)石綿つき金網など実験で当たり前のように用いられていました。
それが本当に意識しないまま、中学か高校になったかいつかしらない間にただの金網に変えられていました。
教師からもそれに関する説明などなにもなかったし、「高いからなの?」ぐらいにしか当時の自分は思っていませんでした。

利権にすがる業界の人たちが規制に強行に反対する、というのは道路や郵政、自動車や石油業界だけでなく、アスベストでもそうなのですね。
これだけ健康被害が叫ばれていながら、全面禁止は2008年以降という。
国会の解散劇でいまや郵政以外の重要議題はまるで見向きもされません。
アスベストもいち早く、その使用を禁止すべきです。
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