ダイエットと健康(その80)

短期間での痩せ志向は失敗する

 羽生善治二冠(王位・棋聖)は一回の将棋の対局で最低3kgは痩せてしまうのだと言う。どういうことなのか凡人には理解しようもないが、きっと恐ろしいスピードで脳が働いているんだろうね。「これ以上集中すると、もう元に戻ってくることができなくなるんじゃないかと不安に感じるときがある」とも述べている。どうすればそこまでの集中力が身につくのか。
 しかしただ座っているだけで痩せるなんて、世の中では激レアな存在である。普通の人であれば食べれば太る、食べなければ痩せる。痩せるためには、運動するand/or食事の量を減らす、というのが必須の条件になってくるのである。そのどちらもなすことなしに痩せるなんてことはありえない。
 そういうわけで、ダイエットのために運動を始めるという人は多い。しかし運動ったって、何をとっても意外とハードだからね。プールに来る人たちもいるけれど、いっぱい(プールの)水を飲んだうえに水の抵抗の強さを甘く見ていて、一週間もすればやめてしまう。プールにずっといる人間からすれば、一週間お帰り組というのはすぐにわかる。
 ジョギングなども同じだね。いきなり長い距離を走って満足し、暴飲暴食をしてしまう。確かにハードに運動すれば原理的には痩せるけど、せいぜい30分間ほどジョギングしても、いつもより余分にラーメンを一杯食べればおしまいなんだよね。50分トレッドミル(11.0km/h)をしても、カレーライスを食べれば元通り。食べ過ぎたものを運動で消費するのは極めて大変なのである。痩せるためには、水中歩行あるいは陸上でもウォーキングなどの軽い運動を長い時間することで習慣づけること、もうひとつは過食にならないようにコントロールするのが最も適していると思う。
 10kg痩せようと思えば77000kcalのエネルギーを消費しなければいけない。一か月だと一日当たり2600kcalになり、とても無理である。2年にすれば1日あたり130kcalで済み、これぐらいであれば運動と食事で無理なく補えるラインである。無理なものは続かない、続けられるペースで痩せるための生活を続けていくしかないのである。
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