ダイエットと健康(その22)

植物性だから安全?

前回の続き。
前回は動物性のコレステロールの話でしたが、植物性のコレステロールはどうか、ってことです。
基本的には植物性のコレステロールは不飽和脂肪酸です。
前回の定義で言うと、善玉コレステロールです。

ほら、健康的なんじゃないか。何の心配もいらないじゃないか、と思う前に、一呼吸。

不飽和脂肪酸には、(1)一価不飽和脂肪酸と、(2)多価不飽和脂肪酸、の2つがあるのです。

一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、植物性脂肪の善玉といっていいでしょう。
オレイン酸を多く含むものには、オリーブ油なんかが挙げられます。
オレイン酸は動脈硬化を促進するLDLを下げ、動脈硬化を予防するHDLを上昇させる作用を持っています。
ほかには、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)なんかが挙げられます。
DHAは前回出てきましたね。
基本的に、これらは体内(肝臓)で合成することができません。
そんなわけで、食事で摂取するのが唯一の方法なのです。
しかも肉類を食べてもこれらを得られません。青魚など、限られた食品のみです。

じゃ、多価不飽和脂肪酸ってのはなんなんだい?HDL(善玉)じゃないのかい?って言われると、残念ながらそうはいえないんです。
(ウソツキ呼ばわりされてしまうな、ご容赦)
多価ゆえに吸着力は一価の不飽和脂肪酸よりもあるんですが、LDL(悪玉)だけじゃなくHDL(善玉)も一緒に減らしてくれます。
そんなわけで、健康上問題となる成人病生活習慣病なんかの予防という意味では、中立な位置づけにとどまります。
それでもLDLの比率が多い人にとっては一定の効果はあるでしょうかね。

多価不飽和脂肪酸の代表例にはリノレン酸が挙げられます。
また、多価不飽和脂肪酸が多く含まれる油には、サフラワー油、紅花油、ひまわり油なんかが挙げられます。
植物性だからなんでも身体に良い、とは言い切れないことには注意しましょう。

こんな結論で終わっていいのかどうか分かりませんが、高いですけどオリーブ油を買ってね♪
(オリーブ油会社のまわしものではありません。念のため)


でも、こんな内容だったらダイエットの方法じゃなくて健康論じゃないか、と思ったりする。
表題は「ダイエットと健康」とかに変えるべきか?

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