今週の市場サマリー

<猛毒は蜜の香り>
新聞には、新聞社に不都合な記事は掲載されない。それにしても、最近の割引率は異常ではなかろうか?

2012/6/2より、規模を縮小してお送りしています。
2015/11/10より、土曜日のみ定期、その他は不定期に政治ネタをお届けします。

2017/06/15連載を終了させていただきました。ありがとうございました。

2007/12/31(月)   サブプライム問題から世界経済が低迷へ

今日の社説。

毎日:07年回顧
読売:民主党対案・トヨタ世界一
産経:07年回顧
朝日:希望社会(10)
日経:世界市場低迷・燃費規制

日経から。

>  米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけに、世界の金融・証券市場の環境が激変した年だった。中国発の株安という一時的な波乱はありながら、7月までは世界同時好況の声の中で株価もおおむね底堅かった。8月以降はサブプライム問題の広がりが米欧の金融機関をむしばみ、市場が揺れた。景気冷え込みの不安をはらみながら新年を迎える。

いつ火がつくか分からない問題だったが、炎上してしまえば「いざなぎ越えの長期景気回復」も実に脆いものだったのか、容易に分かりましたね。
ブッシュとしては米景気の好調さを演出したいのは当然のこととはいえ、自国の政策のまずさから欧州や日本の金融不安に火をつけてしまっては、さすがに弁解の余地もないでしょう。
砂上の楼閣という言葉がぴったりですな。

>  1月に1バレル50ドルを割り込んだ米国先物市場での原油相場は、11月に99ドル台まで上昇した。需要見通しが下方修正される一方での原油高騰は、投資資金が商品先物に流入した結果だ。原油市場の金融市場化は著しく、原油など国際商品の高騰はドル安進行の裏返しでもあった。

行き場のない、高いリターンを求める資金を生み出したのは、日本の金融失政。
ドル安誘導をせざるを得なかった米国金融の失政をある程度は織り込んでも、日米の2国で世界経済を混乱させたわけだ。
罪は重いものだと思う。

>  日本では上場企業の1割に当たる約400社が買収防衛策を導入した。株の持ち合いも復活しつつある。防衛策を一概に否定はできないが、改革意識を弱めるとの見方も根強い。投資家が重視するのは国際比較での改革のスピードだ。経済構造改革の機運が後退していることも、日本に失望する大きな要因になっている。日本の企業も政治も、市場のメッセージを真剣に受け止めるべきだ。

このあたりのことも、2000年前後から海外投資家が日本に求めていることと、なんら変わらないんですよね。
10年経っても20年経っても、いまだに経営の変革は遅いという。
それが海外投資家の意見。
ブルドッグやサッポロの問題を筆頭に、後ろ向きの改革が進み続けていることを危惧しています。

2007/12/30(日)   非現実的な自前リニア構想

今日の社説。

毎日:薬害肝炎・米朝関係
読売:薬害肝炎・新興市場再編
産経:パキスタン首相暗殺・金融市場活性化
朝日:薬害肝炎・力士暴行死事件
日経:ねじれ国会

JR東海が整備新幹線の資金援助を受けることなく、自費で5兆円もの負担をして東海道リニアを作ると表明したことが波紋を広げている。
同社の株価は発表後、連日の暴落。
長らく保っていた100万円台の水準をあっさりと割り込んだ。
投資家は、夢としてのリニア建設は支持していないという証左でしょう。

現在、山梨に実験線がある。
実用化にあたってはこの路線を生かすことになるんですが、実験線の東端は山梨県上野原市にあるんだよね。
上野原といえば中央線沿いで、リニアの終端も新宿が最有力視されていた(その次は立川)。
ところが最近明らかになったターミナル構想では、品川、新横浜、東京の3駅が有力、とされている。
新宿なんかに乗り入れようものならJR東日本から袋叩きにされるどころか、妨害工作までされるだろう。
JR東日本への配慮からこの3駅になったことは間違いないですが、このターミナル駅の変更だけで、大幅な負担増になると思う。


JR東海がリニア構想を発表したとき、細部まで煮詰めている、と評価する声もあった。
しかし現実的に言って、付随する問題とかをクリアにすることもなく唐突に発表したのは、やはりおかしかったのではないか、と思う。
JR東日本との調整もなしに利害関係が解決するなんて、ありえないことだもの。

2007/12/29(土)   パキスタンでブット元首相が暗殺される

今日の社説。

毎日:パキスタン元首相暗殺・日中首脳会談
読売:パキスタン元首相暗殺・日中首脳会談
産経:日中首脳会談・薬害肝炎
朝日:パキスタン元首相暗殺・日中首脳会談
日経:パキスタン元首相暗殺・日中首脳会談

毎日から。

>  誰が見ても危うい政治状況が続く中で暗殺が起きた。どうして防げなかったのかと疑問が募る。ブット元首相暗殺事件の背景は明らかでないが、暗殺を非難するムシャラフ大統領をはじめパキスタン当局の責任も問われるべきである。
> 元首相の身辺には暗い影がつきまとっていた。10月に8年ぶりに帰国すると、祝賀パレードで自爆テロが起き、140人近くが死亡した。11月には軟禁状態に置かれ、同月中旬に軟禁が解かれてから1カ月余りで暗殺されたわけである。

パキスタン当局に責任があるのは認めるけど、肝腎の当局にそれを認める気はないでしょう。
それどころか、内心では喜んでいるのではないか。
そうとすら思えますからね。

> だが、10月の自爆テロを思えば、政府当局の入念な警備対策こそ必要だったはずである。ブット氏の帰国が許された背景には、同氏とムシャラフ大統領の協力体制を望む米ブッシュ政権の思惑が働いていた。ブット氏の人気によって政治情勢を安定させ、民主化機運を高めようとした米国にとっても大きな打撃である。

ブッシュのせいで暗殺された、と言ってもおかしくない内容。
自国以外のことは、駒ぐらいにしか思っていないのだもの。
日本にイラク戦争の燃料代を出させ続け、思いやり予算なんかまで負担させ続けているし。
手詰まり感のあるブッシュは印パ情勢の解決で支持率凋落に歯止めをかけようとしたんだけど、完全に裏目に出てしまったね。

>  だから米国は、01年のアフガン攻撃以降、パキスタンの緊密な協力を求めてきたが、イスラム勢力はムシャラフ政権がさらに親米姿勢を強めることを警戒している。今回の事件も、ブット氏が親米の筆頭とも言える存在だったことを抜きにしては語れない。

これはイラク戦争の給油問題に通じるところがあるね。
10月下旬には日本が給油をやめたらパキスタン軍の活動維持が困難になる、と言われた。
イスラム諸国では唯一の参戦国だったんですが、そのことが関係諸国の反感を買ったことは想像に難くないだろう。

それにしても日本が給油活動をやめても、パキスタン軍は相変わらず。
日本の情報統制っていったい、どうなってるんだろうね?

結論。

>  ムシャラフ大統領は11月下旬、陸軍参謀長との兼任をやめ、今月中旬には非常事態宣言も解除した。前向きな動きである。米国とイスラム勢力の間でジレンマに苦しむ大統領の立場も容易ではあるまい。しかし、なぜこれほど騒乱が続くのかと考えてもらいたい。各勢力との幅広い対話が必要なのではないか。強権では乗り切れない危機である。

強権なんて、持ってるだけでいい。
発動させようとしたら、かえって混乱を招くだけ。
それこそ、核兵器みたいなもんだ。
別に国家の問題に限ったものではない。
日常生活でもいたずらな脅迫とか、いやというほど見聞きしているもの。
強権を振りかざすことは逆に、自身の立場が脆いものだということを露呈しているだけと思うのですが、それにすら気づけないのだろうか。

2007/12/28(金)   

今日の社説。

毎日:ODA減額・ねじれ国会
読売:07年回顧
産経:タミフル・社会保険庁不正
朝日:独行改革・北問題
日経:改革途上・看板倒れの教育再生

日経の社説が2本とも刺激的。
あまりこういうことを書く新聞社ではないだけに、意外。

一本目の冒頭から。

>  案の定というべきか、世界経済に占める日本の比重はついに10%を割った。その持つ意味は経済面にとどまらない。外交や安全保障にも波及する恐れを否定できない。

案の定ってまた、刺激的ですな。
全部すっ飛ばして結論へ。

> 小泉内閣が手をつけた政策や制度面の改革は安倍内閣以降、滞りがちだ。金融危機が去って企業や金融機関の経営改革も一部を除き、テンポが鈍っている。改革を急ぐ必要性に今こそ気付かなければならない。

この結論には同意しますね。

もうひとつの社説の冒頭から。
> 様々な提言を並べてはいるが、どれも「本気度」が低い。教育再生会議の第3次報告は、こう断じざるを得ない内容だ。教育を構造的に改めるための基本理念も具体的な手順も、ここから読み取るのは難しい。
>  たとえば6・3制の弾力化とひとくちに言うが、これを本気で見直すなら、戦後ずっと続く単線型の学校体系を複線型に改める道を探らなければならない。ところが3次報告はそこまで突っ込まず、小中一貫教育の拡大などを挙げて弾力化と唱えている。底が浅いのではないか。

元首相の意味の分からない理念だけが、幽霊のごとく暴走している。
そのように思えてならないね。

>  一方で「徳育」の教科への格上げには強い思い入れがあるようだ。しかし教科にすれば、微妙な倫理観を含む道徳教育にまで文部科学省による画一的な統制を招きかねない。心の教育の重要性は論をまたないが、なぜ教科という形にこだわるのか。

これも元首相の幽霊か。
なんとかならないものだろうか。

結論。

>  再生会議は年明け以降、これまでの提言を総括した最終報告を出すという。しかし最近は委員の熱意が冷め、欠席者も多い。そんな状況のもと、わずかな時間でまとめる最終報告に期待が持てるだろうか。

あれだけ資金をかけながら、欠席者が相次いでいる同会議の存在意義を疑うね。

2007/12/27(木)   民主党の税制大綱

今日の社説。

毎日:教科書検定・民主税制大綱
読売:教科書検定・民主税制大綱
産経:教科書検定・NHK新会長
朝日:教科書検定・首相訪中
日経:規制改革・タイ情勢

毎日から。

>  第二は道路特定財源の暫定税率廃止と全面的な一般財源化だ。自動車関係諸税や燃料関係諸税をそれぞれ一本化することや、地球温暖化対策税への組み替えは前向きにとらえていい。ただ、暫定税率を全面的に廃止し減税の方向を取ることに問題はないのか。
>  自動車ユーザーは過重な負担を強いられているというが、自動車使用に伴う社会的費用などを考慮して本当にそういえるのか。ガソリン価格は高くなっているとはいえ、欧州諸国よりは安い。温暖化対策で新たな税を創設しようと言うのであれば、論理的にも負担感のある税にしなければならないはずだ。

何度となく書いていることですが、日本ではまだまだ、自動車の社会的コストが安すぎるんですよね。
それは自動車会社が強すぎる政治力を持ってしまった悲劇と言ってしまえばそれまでなんですが。
ガソリン価格などを他の国と比較することにそれほどの意味は感じませんが、社会的コストは他の国家と比較してもらいたいなぁ、と思います。

結論。

>  民主党の大綱は租税特別措置の全面見直しや格差是正のための給付付き税額控除の導入など、みるべきところも少なくない。
> それだけに、ガソリン税の暫定税率廃止、証券税制の優遇措置一部存続など大衆迎合的な措置は全体の価値を損ないかねない。

選挙対策の政策立案になっているところが悲しく感じますね。

2007/12/26(水)   税収源はどこ?

今日の社説。

毎日:NHK新会長・教育再生会議
読売:NHK新会長・教育再生会議
産経:福田首相訪中・教育再生会議
朝日:NHK新会長・税制改正
日経:NHK新会長・税制改正

日経から。

>  地方の税収格差是正のために、与党がまとめた法人事業税の見直しでは「一部国税化は税制として矛盾しており、地方分権の流れに反していることから認めない」と、反対姿勢を明確にした。

税源委譲として3兆円を割り振ったのに、舌の根も乾かぬうちに2兆4千億円を元に戻す。
なんというセンスのなさよ・・・
石原東京都知事が文句を言っていたけど、それも当然の話。
東京なんて昼間人口が多い分、住民へのサービスという意味ではかなりの負担を背負っているからね。
立川や草津と言ったベッドタウンの財政は比較的潤っているけど、昼間人口の少なさから負担が少ない面もある。

> 政府・与党の道路特定財源改革が後退するなかで、民主党が一般財源化を明確にしたことは評価できる。ただ私たちは現在の厳しい財政事情を踏まえれば、暫定税率の維持はやむを得ないと考える。民主党は暫定税率を廃止しても、地方の道路整備事業は従来水準を確保するとしているが、その具体策は不透明だ。

この民主党案の論拠が分からないのが難点なのは同意しますね。
1兆4千億円の減収。
これを消費税で賄おうとしたら何%に当たるのかと考えると、ありえない話だと思う。

税制論議もよいけど、与野党は予算政策とともに税収源について語ってもらいたいものですね。

2007/12/25(火)   

今日の社説。

毎日:東京市場強化・防衛省不祥事
読売:相次いだ偽装
産経:独法改革・薬害肝炎一律救済
朝日:希望社会(9)
日経:福田内閣

出色の社説がないため省略。

2007/12/24(月)   整備新幹線論考

今日の社説。

毎日:薬害肝炎一律救済・相次いだ偽装
読売:薬害肝炎一律救済・整備新幹線
産経:政治資金法改正・郷土料理百選
朝日:薬害肝炎一律救済・ミャンマー難民
日経:薬害肝炎一律救済・少子化対策

読売の整備新幹線の社説。
長らくたな晒しにされ続けてきた新幹線の長崎ルートが、来年にも着工の見込みとなった。
義務付けていた並行在来線の切り離しをうやむやにし、最低20年間はJR九州が運行することとしたため。

>  政府・与党は新幹線の新規着工について、ゴーサインを出す際の5原則を設けている。安定した財源、採算の確保などに加え、並行在来線のJRからの経営分離に、地元自治体すべてが同意しなければ着工は認められない。
> 無計画な新線建設を防ぎ、民営化されたJRの健全な経営を保つのが目的だ。不採算路線を旧国鉄に押しつけて赤字を膨らませた轍(てつ)を踏まないための、重要な歯止めと言える。

経営難に苦しむ路線は少なくない。
JR西とか北とかは特に多いけど、ほかの各社でもあるからね。
恵まれている東海は名松線ぐらいですが。

> 武雄温泉―諫早間では、地元自治体の一部が並行在来線のJRからの経営分離に強く反対していた。地元が経営した場合の負担増や利便性への懸念からだ。

そりゃ反対するでしょう。
普通の地域でも反対は間違いないのに、あのあたりはローカル線にしては相当恵まれている地域だもの。
自分たちが使えないもののために利便性が大きく損なわれるんだったら、何のための新幹線なのか、わかりませんわな。

>  結局、並行在来線は新幹線開業後も20年間はJR九州が運行する。予想される年1億7000万円の赤字のうち、7000万円は佐賀、長崎両県が補てんするが、残る1億円はJR九州の負担だ。

この負担をJR九州が飲んだことがそもそもの間違いであったと思うのは気のせいなのだろうか。
つばめを鳥栖から乗ることを思えば、そう距離も長くない新幹線ができてもあまり変わらないのではないかと思うのだが・・・
まだしも、鳥栖=長崎の全線標準軌化とつばさ、こまち方式がベターじゃないかなぁ。と思う。

> 東北、北陸新幹線の開業でJRから分離された在来線の経営はどこも厳しい。赤字が必至な北海道新幹線の並行在来線の扱いも、まだ決まっていない。今回のケースを先例に、JRへの負担押しつけが横行すれば、不採算路線の延伸に歯止めがきかなくなる恐れがある。

平行在来線といえばしなの鉄道。
借金をして鉄道施設を買収して、営業利益でコツコツ借金を減らしていくはずだったのですが、とてもじゃないが返済の目処は立たず、結局借金はほぼ全額切り離された。
それでやっとかろうじてやっていける程度。
青い森鉄道、IGR(いわて銀河鉄道)といったところも苦しんでいる。
直通寝台特急と貨物線の恩恵にあずかっていても、先行きの見えない状態である。
肥薩おれんじ鉄道なんか、架線を取っ払ってディーゼルで運行してますからね。
ありえないことだと思う。

> 並行在来線が残った地方都市も、新幹線によって近接する大都市に買い物客などを奪われる副作用に苦しんでいる。新幹線による地域活性化は、地元とJRの一体的な取り組みが不可欠だ。着工5原則の意味を再確認する必要があろう。

これも長野新幹線が好例だねぇ。
善光寺参りの人は日帰りになり、県民は買い物のために大宮や東京に出て行くようになり、地域にお金が落ちなくなってしまった。
東京=秋田ほどの長距離ならばまだそこまでひどくはないのですが、短距離であればそういう副作用が出てくることも覚悟しなければいけない。
福岡=長崎が全線フル新幹線でつながれば2時間もかからないだろう。
おいらは長崎は好きだけど、それだけに逆効果を懸念せざるを得ない。

結論。

>  政府・与党は北海道、北陸、九州新幹線の未着工区間についても、年度内に財源のメドをつけたいとしている。新規着工は、安定財源の確保が大前提となることは言うまでもない。

これがねぇ・・・・
財源の目処っていうのが「建設費の財源」ではなくて「在来線の赤字の補填の財源」を示しているんじゃないか、って思えるのよ。
北陸新幹線が全部できたら北越急行はどうなるのか。
北海道新幹線ができても、所要時間を考えれば航空機に勝てないことは明白である。
なんでもかんでも新しいものを作る方向に走るんじゃなくて、今あるものをもっとも効率よく運用できる仕組みをつくることを第一に考えないと。
長距離客も重要な客ではあるが、沿線住民のほうがはるかに大切な、ロングスパンの乗客であるはずである。

2007/12/23(日)   減額続けるODA(政府開発援助)

今日の社説。

毎日:年金問題・京都議定書
読売:放送法改正・滑走路誤進入
産経:霊感商法・観光庁新設
朝日:原爆症認定・途上国援助
日経:京都議定書・途上国援助

ODAの総額ランキングで、日本はイギリスに抜かれ3位に後退。
3年後には6位になる、という推計も出ている。

読売の社説みたいに頭括法で書いてしまうと、ODAの対象を見極めることが大切だと思う。
どこかの国に援助したお金の一部は、宇宙開発に充てられている。
そういう援助は、本当に必要なのか。
例えば多くの国では多くの人命が飢餓に苦しんでいる。
例えばいまだに焼き畑農業などを行っていて、砂漠化とCO2排出を増やしている地域もある。
そういった、効果の高い、あるいは喫緊の案件にこそ、資金を拠出することが大切ではないか。
総額を論じるのもいいことかもしれないけど、厳しい財政事情の中で諸外国からの評価を得るためには、中身を詰めることしかないと思う。

朝日。

>  来年度の予算原案では、技術協力や無償資金協力に使われるODA予算は約7000億円。今年度より4%少なくなる。昨年決めた「骨太の方針」は、ODA予算を11年度まで毎年2〜4%ずつ削るとしている。
> これだけ長期にわたる削減が、国際社会での日本の存在感、発言力をどれだけ損なうことか。真剣に考えるべき時だ。

90年代、10年続けて世界一でも、国連の常任理事国にすらなれなかった。
それが厳然とした事実。
穿った見方をすれば、額こそ出しているけど、理解の得られない援助だった・・・というわけですな。
今でこそ発言力がないんだから、ODA減額で発言力がさらに後退する、というのは心配しすぎではないかと思います。
いまの、そして今後の日本がそんな状態かなぁ??

> ODAはそのための大事な手段だ。なのにこの10年でODA予算は4割も減り、一方、防衛予算は毎年ほぼ同じ規模を保っている。海外から見れば、日本はどんな国を目指すつもりなのか、首をかしげたくなるのではないか。

この部分は一理あると思う。

結論。
> この面で日本はどのような役割を果たすつもりなのか、福田首相には明確なメッセージを発してもらいたいと思う。ODA予算の削減を続けるばかりでは、話にならない。

首相に明確なメッセージを求める一方で、朝日は貧困や紛争、地球環境の面で途上国を援助すべきだ、としている。
ただ、出口(支出)のみに視点を当てて書いているのが気に喰わないところかな。
支出を増やせ、と主張することは勝手だけど、じゃどこからその分の金額を拠出するのか、ということに関しては、防衛予算が疑問、ということしか触れていないからね。

日経。

>  援助での日本の地位低下は残念だが、やむを得ない面もある。白書も指摘するように、今後はコストを減らし、対象プロジェクトを厳選しながら援助の量を確保するという難しい課題に挑まなければならない。

なぜやむをえないのか。それはここにある。

>  とはいえ、いま財政再建の旗を降ろすわけにはいかない。11年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する政府目標は堅持しなければならない。財政の立て直しが進んでこそ、援助政策も安定的に進めることができる。

収入と支出は一体である。
そんなことを忘れてたら、話にならないよねぇ?
朝日を責めるわけではないが、今の日本の財政を見ていたら、援助を要請する側もとまどってしまうよ。
それぐらい、日本の財政状態の悪さは世界的に有名なのです。

>  ODA予算を再び増やせる日がくるよう期待したいが、当面は額の制約が続く。したがって日本は、これまで以上に援助を戦略的に進めなければならない。白書は官民の連携強化を促し、資源・エネルギーの確保、地球温暖化への対応など、対外援助での重要分野に言及している。

中身を厳選して、効果の高い援助をしないとしばらくは致し方ないと思う。
イラク戦争の支援(無償給油)などに対する無駄金を筆頭に、無駄遣いをもっと減らさないとね。

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ところで、今日の日経の紙面には「2011年度のプライマリーバランスの回復は困難」という記事が出ていた。
景気の減衰による税収減が響くのが主な理由。
こういう結果になるとすぐに歳出増圧力がかかるのが自民党なのですが、いい加減にその論理は終わりにしてもらわないと。
福田首相は衆院選対策などのためにばら撒き型の政治に走っていますが、ばら撒きが高齢化に拍車をかけていることにいい加減気づかないと。

2007/12/22(土)   3ヶ月前のことも忘れた社説に苦言

今日の社説。

毎日:独法改革・霊感商法
読売:独法改革・東京市場強化
産経:テロ特措法対案・京都議定書
朝日:政治資金法改正・霊感商法
日経:独法改革・東京市場強化

産経から・・・かな。

>  インド洋での海上自衛隊の給油支援は、旧テロ特措法の期限が切れた11月1日以降、停止され、日本はテロとの戦いから脱落している。早期の給油支援再開こそ、日本の国益にかなう。

論拠もなく、唐突に書かれることに戸惑いを隠せない。

>  参院第一党の民主党は新テロ法案の審議を外交防衛委員会の定例日の週2回に限るとしているが、対案も含め、連日審議して参院の結論を年内に出すべきだ。政争の具にすることなく、国政への責任を果たすことが政権政党を目指す民主党に求められる。

どこの政党のせいで国会が不毛に長引いているのか、考えたことがあるのだろうか。
2ヶ月以上もの空白を作ったのは自民党であり、産経が大好きな公明党なのに(笑)

>  また、活動は停戦合意が成立、もしくは治安が安定している地域に限定されているが、画餅(がべい)にならないか。

この論理も、自衛隊は非戦闘地域だから、と強弁した小泉の論理と、どこが違うのか。さっぱり分からない。

全体的に言って、2年前3年前のことはもちろん、ほんの数ヶ月前のことも忘れて社説を書かれても、納得しがたいものにしかならないなぁ、という印象ですかね。

2007/12/21(金)   神栖でエチレンプラントが大炎上

今日の社説。

毎日:来年度予算案・薬害肝炎
読売:来年度予算案・MD構想
産経:来年度予算案・薬害肝炎
朝日:薬害肝炎・NHK会長人事
日経:来年度予算案・薬害肝炎

舛添厚生労働大臣にはやる気がないのだろうか。
年金問題では開き直りの発言が目立つし、薬害肝炎に関しても、全く誠意を感じない。
とはいえ、ひどいのは福田首相が最たるものなのかもしれない。
早くNo!をつきつける瞬間(総選挙)がこないだろうか。

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ディープな話題だが、三菱化学の鹿島事業所(茨城県神栖市)でエチレンプラントが炎上、2人が死亡し2人が行方不明。
エチレンといえば化学製品の基幹品。
石油(ナフサ)を分解してエチレンを得て、それから酢酸、アセトアルデヒド、アクロレイン、エチレンオキサイド、ポリエチレン、ポリエステル、エチレングリコールなど、多くの有用な化学品を作っている。
三菱の国内シェアは20%ほどで、そのうち6割を鹿島で、さらにその約半分を炎上した第二プラントで作っているという。
ということは、全体でみれば6%ほどの供給減になる。

鉄鋼や資源、非鉄、食料品などが顕著だけど、世界的に需要が旺盛で値上げ圧力が高まっている。
化学品とて例外ではなく、今年にはいって3度も値上げされた。
それほど需給がタイトな中での今回の事故。
エチレンなしじゃ、車も衣類もPETも、なにも作れないからね。
とくに自動車業界の政治力は高いだけに、安全性を無視して早期の運転再開をさせそうで、怖い気もします。


写真をいっぱいみたけど、黒煙が上がっていたのが不思議だったね。
原料にはナフサを使うのが普通だ。
ナフサが燃えたのなら、黒煙があがるわけはない。白煙である。
クエンチオイルが燃えたとしてもあんなに黒い煙かなぁ?
と思っていると、軽油などでも原料として使えるように設備を更新した、と新聞記事にある。
とすれば、燃えたのは軽油かな、とも思う。

ブッシュによる資源価格高と需給の逼迫が今回の事故の伏線にあるんだろうね。
1プラント1原料が基本だけど、原料は手に入らないわ、買い手はいっぱいいるわ、じゃ、多様な原料に対応できないとしょうがない。
でも、そのためにコンタミしたり、デコーキングし損ねたり、浸炭したり、クエンチオイルを差し替えし損ねたり、といろんな要因から、事故の確率が高まる。
エチレンプラントは投資額が膨大だからなぁ。
工場新設には各社とも及び腰になるけど、安全性の面から言えばやはりナフサ系とは別に灯油系のエチレンプラントを別に立てるべきだったのではないかと。
需要家に価格上げを迫るんだから、安定供給は確保できないとね。事故なんてもってのほかです。
あと、日本政府は資源価格高になんらかの対策を打って欲しいですね。


鹿島の三菱は日本で最大の工場だったのか。知らなかったな。
ttp://www.jpca.or.jp/62ability/0plant.htm

2007/12/20(木)   韓国で政権交代

今日の社説。

毎日:韓国大統領選・死刑停止論議
読売:韓国大統領選・プーチン外交
産経:韓国大統領選・危険運転
朝日:韓国大統領選・社会保障会議
日経:韓国大統領選・賃上げ問題

オーストラリアに続いて、韓国でも政権交代。
少し前にはフランスでサルコジ大統領が誕生し、イギリスではブレア首相が退陣した。
中露などを除く主だった国でまだ政権が変わっていないのは日本とアメリカだけではないだろうか。

世界的な政権交代の中で、日本にも待望論がくすぶってきそうなものだけど、まだなのかな。
日本は中露も顔負けの社会主義国だから政権交代はまだ?
それはまた失礼しました。

2007/12/19(水)   診療報酬改定

今日の社説。

毎日:診療報酬改定・MD構想
読売:診療報酬改定・守屋再逮捕
産経:MD構想・守屋再逮捕
朝日:来年度予算案・守屋再逮捕
日経:EU新条約・景気変調

来年度予算案とも絡む問題だけど、国債発行額を減らすためだけに特会基金を取り崩し、診療報酬の国負担分を民間に押し付けて、かろうじて予算を守る。
とは言え、減らされた公共事業などは補正予算で組まれているし、どこをどう隠したいのか丸見えすぎて、悲しくなる。
そもそも補正予算ってのは本会議の後で必要になったものに対して組まれる予算であるはずなのだ。
災害が起こったとか、そういうときのためにね。
はじめから本予算と補正予算がセットになっているのなら、それは補正予算とは言わないのではないだろうか。

2007/12/18(火)   

今日の社説。

毎日:内閣支持率急落・ねんきん特別便
読売:思いやり予算・家電リサイクル
産経:内閣支持率急落・三菱自動車判決
朝日:内閣支持率時急落・地方税偏在
日経:銃規制・健保財源召し上げ

朝日から。

>  年金記録の問題を解決する難しさは分かる。「ねじれ国会」のかじ取りも容易ではあるまい。だが、それにしてもこの3カ月近くというもの、首相はたったひとつの政策課題にあまりにとらわれすぎたのではないか。
(略)
>  これにケリをつけなければ次の課題に進めない。首相はそう考えているのかもしれない。だが、いま国民が求める最大の政策課題が給油再開だと思っているとすれば、首相の政治センスを疑う。

自分も首相の政治センスを疑うねぇ。
ありえないことだと思うもの。

2007/12/17(月)   信用収縮への切り札は?

今日の社説。

毎日:自治体財政再建・世界資金供給拡大
読売:税制大綱・日銀短観
産経:野球ドーピング・南京事件70年
朝日:希望社会(8)
日経:薬害肝炎・IHIのIR


個人的にツボにはまったのは日経のIHIの社説だったのですが、マニアックすぎるきらいがあるため、毎日。
世界的な金融機関の信用低下のため、市場に出回る資金が少ないことに対して欧米中央銀行が取った政策について書かれている。

出だしから。
>  米欧の主要中央銀行が連携し、市場への資金供給を拡大している。金融機関同士の疑心暗鬼から市場は資金不足に陥っている。年末に向け資金の取り合いが激しくなっており、資金繰りに困る金融機関が出ないように、異例の協調行動を開始した。

日本のいつぞやを見ている気分になる。
日本の場合は3月末だったけど、資金を借りて利子がもらえるんじゃないかと見まがうぐらい、日銀は資金供給をしていたからね。
あのころの一部の邦銀がそうであったように、今回もサブプライムと無縁の金融機関があれば、いいビジネスチャンスになりそうな気がするんだけどね。

ところでサブプライム問題って、どれぐらい理解されているんでしょうか。
サブプライムローンってのは、信用力の低い住宅ローンをいくつかセットにして、それを小口化してリスクを細分化した、という名目になっています。

ところがアメリカと日本で住宅ローンに決定的な違いがあるんですよ。
それは何かというと、日本の場合、ローンを返せなくなった場合、家を売ってしまって何も残らなくなっても、ローンは残る。
ところがアメリカの場合、家を売ればローンは完全に消滅するのです。
そこのリスクの受け手が、資金の借り手なのか、金融機関なのか。
そこが大きな違い。

>  サブプライムローンを原資産に証券化の手法でさまざまな加工を加えた金融商品は、資産の現在価値が査定できず、売るに売れない状態が続いている。

サブプライムってのは、実現損じゃなくて、評価損なんだね。
処分しない限り、損失額がいくらになるのか、分からない。
ところが、処分するにも買い手が見当たりそうにない。
ということは、最終損失額もいくらになるのか、全く見当もつかないわけですよ。
そこが各金融機関の足を引っ張り合っている、根本的な要因なわけです。

風評が風評を呼ぶ・・・怖い世の中だねぇ。

2007/12/16(日)   銃乱射で一般人が2名犠牲に

今日の社説。

毎日:佐世保銃乱射事件・温暖化対策会議(COP13)
読売:佐世保銃乱射事件・温暖化対策会議(COP13)
産経:佐世保銃乱射事件・温暖化対策会議(COP13)
朝日:佐世保銃乱射事件・温暖化対策会議(COP13)
日経:温暖化対策会議(COP13)

佐世保のスポーツクラブで散乱銃が乱射される事件が発生。
2人が死亡し6人が重軽傷を負った。
長崎といえば現職市長が選挙戦中に銃殺されたところでもある。
犯罪は地域性なのか、それとも偶発なのか。
徹底的な解明を望みたい。


バリで開かれた地球温暖化対策会議。
2012年で切れる京都議定書の後釜として、関係各国の期待を背負っている。
そこに疑いの余地はないものの、社説として書かれている文章を読むと「脱炭素社会」とか「低炭素社会」とか「脱CO2社会」とか・・・
炭素なしで生命体が活動を維持できますかいな。。。。
もうちょっとマシなスローガンはないの?と思ったりする。

2007/12/15(土)   プーチン、院政へ?

今日の社説

毎日:三菱自動車・野球ドーピング
読売:国会期再延長・従軍慰安婦
産経:サブプライム問題・海自隊員逮捕
朝日:三菱自動車・南京事件70年
日経:国会期再延長・海自隊員逮捕

ロシアの選挙がすごい。
あれだけ露骨で、なんのデモにもならないのだもの。
とはいえ、アメリカの電子投票ほどは操作されていない・・・とは思いますが。
電子的にいじるのか、環境的に圧力をかけるのか、の違いはあっても、どちらもいやなことには違いない。

とは言え、日本だって事あるごとに「与党有利」という報を新聞が流すのも困ったもんだけどね。
国益放送と言われても仕方のないNHKをはじめとして、なんとかならないものなのだろうか。

2007/12/14(金)   税制改正と、国会会期再延長

今日の社説。

毎日:薬害肝炎・税制改正
読売:薬害肝炎・海自隊員逮捕
産経:薬害肝炎・税制改正
朝日:薬害肝炎・税制改正
日経:税制改正

朝日から。

>  与党案では、売却益は年500万円以下、配当は年100万円以下に対して軽減を2年間残す。だが、金融証券所得を漏れなく合算する仕組みがまだないのに、どうやって上限以下かどうかを見分けるのか。税制を複雑にするだけだ。

どうやって上限に達しているのかどうかを見分けるのか、自分も知りたいです。


それはそうと、国会の会期が再延長された。
テロ特措新法を衆院再議決で通すためのものであることは明らか。
国会承認は省かれ、衆院の意向のみで派遣が決まる。
出て行ってどういう活動をしているのかも判然としにない。
文民統制が取れているのかどうかも判然としない。

与党が「参院でのろのろと審議するからだ」と言っているのが許せない姿勢だと思います。
そもそも国会がこんなに混乱して、会期がのびのびになったのは、前総理大臣が放り出し辞任をしたからだ。
自分たちの都合で国会を混乱させておいて、また自分たちの都合で延長って・・・
ちゃんと審議に時間をとれというのなら、首相が辞職などしなければよかっただけの話ではないのだろうか。

2007/12/13(木)   ビラ配りで有罪

今日の社説。

毎日:再延長国会・ビラ配布
読売:米利下げ・偏在地方税
産経:プーチン院政・年金問題
朝日:年金問題・ビラ配布
日経:米利下げ・年金問題

共産党のビラを配った僧侶に、高裁で有罪判決が下された。

朝日から。

>  東京高裁の理屈はこうだ。憲法は表現の自由を無制限に保障しておらず、公共の福祉のために制限することがある。たとえ、思想を発表するための手段であっても、他人の財産権を不当に侵害することは許されない。住民に無断で入ってビラを配ることは、罰するに値する。
> 一方、無罪とした東京地裁はどう考えたか。マンションに入ったのはせいぜい7〜8分間。40年以上政治ビラを配っている住職はそれまで立ち入りをとがめられたことがなかった。ピザのチラシなども投げ込まれていたが、業者が逮捕されたという報道はない。ビラ配りに住居侵入罪を適用することは、まだ社会的な合意になっていない。
> 市民の常識からすると、一審判決の方がうなずけるのではないか。住職の行動が刑罰を科さなければならないほど悪質なものとはとても思えないからだ。

自分のうちにもいかがわしい広告とかをはじめ、いろんなものが投げつけられています。
今回の判決の論旨だと、ああいうのも総て有罪というように思えるんだよね。
そりゃビラはうざったいけども、そこまでするほどのものなのかと・・・

同じネタを毎日から。

>  治安が悪化し、不審者がビラ配布を装って侵入することもあり得るから、2審判決のように厳しく住居侵入罪を適用すべきだとする考え方には一理がある。マンションに無断で立ち入る行為が相当性を欠く、との判断も社会常識とかけ離れていると思えない。
> しかし、法律論だけでは割り切れぬ側面もある。1、2審で判決が分かれたのもそのせいかもしれない。住民の多くが不審者に神経質になっているのが実情だから、表現の自由を盾にすれば、無断でビラを配っても許されるとの主張には疑問の余地がある。事前に管理人や管理組合の役員から承諾を得たり、誰何(すいか)されたら身分証明書を提示して身元を明らかにするといった配慮や慎重さが、配布する側に求められて当然だ。

この社説にしてもそうだけど、政治ビラに限らず一般的な話におしなべて書いて欲しかったんだよね。
たぶん普通の人は政治ビラは「いらない」とは思っても、そんなに不愉快にはならない。
いかがわしいビラも世の中には多いんだからね。

2007/12/12(水)   給油がどうメリット?

今日の社説。

毎日:プーチン院政・年金問題
読売:プーチン院政・年金問題
産経:中国外交発表・再延長国会
朝日:再延長国会・再延長国会
日経:プーチン院政・地方税偏在

朝日、二度目だね。
同じネタで2つに使うのは。

ひとつめの社説が秀逸。

>  会期が再延長されても、その期間は再可決までの消化試合に終わる恐れすらある。給油活動が日本の貢献として本当にふさわしいのか、賛否がどうしても分かれてしまうなら修正の道はないのか。そうした論議こそが求められているのに、いまの国会の姿は本末転倒だ。
> 自民党には「3分の2による再可決」を求める声が多い。だが、それが本当に解決になるのかどうか、疑問もある。
> 新法の期限は1年。再可決して成立させたとしても、では1年後はどうなるのか。衆院選挙があって民主党が勝てば政権交代だし、与党が勝っても3分の2の議席を維持できるとは考えにくい。
> 政府は給油継続こそが日本の果たすべき国際責任だと力説する。だが、再可決ができないなら、海上自衛隊はまた引き揚げざるを得なくなってしまう。

> そんなことで責任ある貢献と言えるのだろうか。やはり与野党が歩み寄れる貢献策をつくりあげる以外に方法はないのだ。そもそも自衛隊を海外に送るなら、衆参両院の意思に基づく方が望ましい。
> そのためにも、ぎりぎりまで論議を重ねて打開できないのならば、仕切り直すことを考えるべきだ。民主党の対案も含めて与野党で協議を続け、来年の通常国会で決着を目指せばいい。

> 再可決やら、問責やら、はては解散・総選挙まで、極端な手法ばかりが語られている。だが、給油継続がそれにふさわしい問題とは思えない。日本の活動停止が長引くとしても、それは民主主義の必要なコストと考えるしかあるまい。

給油にどれぐらいのコストがかかっているのか。
また、その活動によって、国民はどれだけの利益を享受できるのか。
それも明らかにしないでただ猿のように「給油活動は国益にかなう」と連呼したところで、説得力皆無なのですが・・・

2007/12/11(火)   狂牛病肉の輸入制限緩和へ

今日の社説。

毎日:電子投票法案・独行改革
読売:米国産牛肉・南京事件70年
産経:船場吉兆・テレ朝問題番組
朝日:医師不足・岡田新監督
日経:埋蔵金論争・中国外交発表

読売から。

>  20か月以下に限る日本の条件は、世界で最も厳しい。条件緩和は、これを国際的な標準に合わせようとするものだ。妥当な判断といえよう。


国際的な標準っていうのは米国が作っているんだよね。
当然、輸出国である自国のずさんな品質の牛肉でも、輸出に足る条件にしているわけです。
そんなものに沿って狂牛病リスクを高めることが妥当な判断なのかと言われれば、否だろう。

> 日本では、月齢21か月と23か月の若いBSE(牛海綿状脳症)感染牛が見つかっている。これが輸入条件を月齢20か月以下とした最大の根拠だった。

日本では狂牛病の症例って数えるほどしか見つかってないんですよ。
その中でも2頭が感染しているんです。
どれだけのリスクか、容易に分かろうというものだ。
月齢20ヶ月でも、充分に危ないのである。

>  月齢制限を緩和しても、脳や脊髄(せきずい)など病原体の異常プリオンがたまりやすい特定危険部位を取り除くことに変わりはない。危険部位を除けば、まず安全に問題がない牛肉が食べられる。

取り除く約束になっているのに、実際には取り除かれていなかったわけです。
それどころか、全部検査するはずだったのにサンプル抽出にしたり、安全性を損ねている方向に進んでいるとしか思えないのですが。

そんなに食べたければ、読売の記者だけ食べていればいいではないか。と思うのだが。

> ただ、今回の緩和方針が日米の次官級会合の後、米国側から唐突に明かされた点には問題が残る。政府部内の調整不足で、その後の対応も混乱した。

これが何を意味するか分からないほど、読売の論説委員はボケているのかなぁ?

2007/12/09(日)   消えた年金

今日の社説。

毎日:賃上げ・W杯サッカー
読売:ねんきん特別便・遺失物法改正
産経:ねんきん特別便・第一生命株式会社化
朝日:希望社会(7)
日経:金融一体課税・電子投票

読売から。
> 年金保険料が月給から引かれていたのに納付記録がない、という申し立てが、年金記録確認第三者委員会に多数寄せられている。
> 社会保険庁のミスで記録が消えたとは限らない。厚生年金に関する申し立てはこれまでに約1万件出ているが、このうち半数は、悪質な経営者が国に納めずに事業の運転資金に充てるなど、企業側に問題があった事例と見られている。

大企業DIは依然として良好ですが、中小企業の経営状態といえば、以前として芳しくない。
制度そのものがない、というところもあるだろうし、ここに記されているように企業側の着服のようなことも多いだろう。

> まだ被害に気づいていない人が相当いるのではないか。今月中旬から「ねんきん特別便」の送付が始まり、来年10月までに、約1億人の加入者全員に年金記録が届く。悪質企業による着服事例もかなり発覚するだろう。その前に対策を講じたことは妥当である。

着服されたらどうなるのかを知りたいね。

それはここ。

>  肩代わり分は、国から企業や事業主に請求する。問題企業が倒産していても、元経営者に対して国が訴訟などの法的措置をとれるようになる。徴収状況は半年ごとに国会に報告される。
> 未納保険料を税金で肩代わりする以上は、悪質事業主の逃げ得を許さぬように厳しく対処することが必要だ。
> 企業側の問題で年金記録がないケースまで国が救済すべきではない、との反対論もあった。だが、被害に気づいた時に問題企業が倒産したりしていては、個人で権利を回復するのは困難だろう。

この社説を書いている人、相当サツ回りを重ねた人だろうね。
えらくなったらもう過去のことなど忘れている人も少なくないのだけど、この視点はすばらしい。
オ◎コの割賦販売のときも、読売は抜けていたからね。

というか、同じネタの産経が、全くこの視点がないことに驚いたんですけど。

2007/12/08(土)   揮発油税の暫定税率の10年維持が決定

今日の社説。

毎日:暫定税率維持・遺失物法改正
読売:暫定税率維持・死刑氏名公表
産経:暫定税率維持・独立行政法人改革
朝日:独立行政法人改革・イラン報告書
日経:暫定税率維持・サブプライム問題

暫定税率を据え置くことに関しては、国家の財政事情を勘案すれば致し方ない面もある。

日経から。
>  道路財源の暫定税率は維持する。ガソリン1リットル当たり48円60銭の揮発油税、自動車1トンにつき年1万2600円の自動車重量税はそれぞれ本則税率の2倍、約2.5倍のままで変えない。今の厳しい財政事情を考えれば、暫定税率を維持するのはやむを得ないところである。

ひとつだけ腑に落ちないことがあるとすれば、ガソリン税(正式名称は揮発油税)の額にも消費税がかかること。かな。

> だが合意には3つの問題点がある。まず道路整備の規模だ。都市の渋滞対策や全通間近の地方幹線などはともかく、舗装率が実質的に欧米並みになり道路網も整った日本で現状並みの建設を続ける必要があるだろうか。またコストの縮減で事業費を抑える余地も大いにあるはずだ。

来年の3月、第二名神ができる。
四日市から亀山、土山を通って、草津田上まで。
あの橋桁1本、8000万円もかかるらしいです。
ありえない話だと思いませんか?
その上、用地買収に相場の10倍もの値段を出したりもする。
そんなことで無駄遣いして、国民に増税に対する理解を得られると思ってるんでしょうか?

>  道路財源改革では福田康夫首相の及び腰が目立った。地方の経済活性化や雇用拡大に配慮したとはいえ、道路整備はもっと抑制できたはずだ。民主党は暫定税率の廃止を求める方針。国会で道路整備や財政負担のあり方を率直に議論し、将来世代に責任が持てる解答を出すべきだ。

安部政権時代は本当にクソだと思っていたが、まだパフォーマンスだけでも見直しというあたり、まだマシだったかもしれないと思うようになってきてしまった。
末期だな。
福田政権下では国民負担が極大化する方向にしか、進まないような気がする。

2007/12/07(金)   OPEC総会で原油増産見送り

7日の社説。

毎日:イラン報告書・埋蔵金論争
読売:OPEC総会・改正温泉法
産経:イラン報告書・拉致問題
朝日:水サミット・知的障害者
日経:OPEC総会・防衛省改革

結果は目に見えていたことだけど、それに行き着く過程のほうが気になる。
もう、産油国に増産余力はないのか。それとも、石油バブルの恩恵にあずかっていたいのか。
ロシアやサウジアラビアの経済の好況ぶりが、産油国の潤いを如実に示している。
これだけ原油価格があがるんだもの。
なんの努力もしなくても、お金ががっぽがっぽと入る。
一昔前で言えば、中国という追い風が吹いた日本の鉄鋼業界のように。

とはいえ、増産余力があるのかどうかで、話は大きく変わってくると思うんですよね。
原油の可採埋蔵量は現在、どれぐらいの水準なのだろう。

2007/12/06(木)   

今日の社説。

毎日:防衛省改革・ロシア選挙
読売:医療事故調査委・インフルエンザ
産経:国際学力調査・インフルエンザ
朝日:ガソリン税・大阪府知事選
日経:独立行政法人・産油国好況

2007/12/05(水)   

5日の社説。

毎日:国際学力調査・テロ特措新法
読売:国際学力調査・タクシー値上げ
産経:大阪知事不出馬・民主党訪中団
朝日:国際学力調査・テロ特措新法
日経:国際学力調査・歳出改革

2007/12/04(火)   ロシアで総選挙

4日の社説。

毎日:大阪知事不出馬・温暖化会議
読売:防衛省改革・ロシア選挙
産経:防衛省改革・ロシア選挙
朝日:防衛省改革・ロシア選挙
日経:温暖化会議・ロシア選挙

朝日から。

>  エリツィン時代の政治混乱、生活困窮を思えば、有権者がプーチン与党に圧倒的な支持を与えたのも無理はない。
> だが、そうした追い風にもかかわらず、政権はかなりの無理を重ねた。テレビの支配を強め、野党指導者を拘束し、大動員をかけてプーチン人気をあおり、大勝利を確実にしようとした。

なんでこの視点が読売にも産経にもないのか、驚くね。

日経。

>  選挙期間中、各地で当局が統一ロシアへの投票を強制したとの声があがった。大学、病院など職場で上司から働きかけを受けたという例が多い。こうした不正の規模ははっきりしないが、以前もあった。

日経でも書いているというのに。
物言えば唇寒し、ってやつですかね?

その割に結論は全紙ピンとこなかったんですが、その中で産経のみ異色だったので紹介したい。

>  そのために、プーチン氏とのパイプづくりはもちろん、ウクライナやグルジアなど親欧米国となったロシア周辺国との関係強化に努めることも、肝要ではないか。

賛否はともあれ、社説らしい結論は評価したいと思います。

2007/12/03(月)   

3日の社説。

毎日:診療報酬改定・労働2法
読売:割賦販売法改正・文化遺産保護
産経:生物多様性・政治とカネ
朝日:希望社会(6)
日経:日中対話・TV新時代

2007/12/02(日)   

今日の社説。

毎日:日中経済対話・BS新局
読売:日中経済対話・被災者支援法
産経:地球温暖化・銀行証券融合
朝日:地球温暖化・薬害肝炎リスト
日経:サブプライム問題・地方再生戦略

2007/12/01(土)   

今日の社説。

毎日:喚問見送り・中国艦初寄港
読売:高校野球特待生・政治資金法
産経:喚問見送り・朝青龍問題
朝日:地方再生・放火冤罪
日経:医師不足・パキスタン情勢

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